■大日商店街街(中央区)(NO.14)

大日商店街
 阪急春日野道駅を降りて北へ徒歩5分のところに約200mに渡り東西に伸びる大日商店街(市原達雄理事長)の入口がある。アーケードの隙間からやわらかい陽の光が注ぎ、街内を包み込む。日用品や食料品などの店内にはぎっしりと商品が並べられ、飲食店は馴染みのお客と店主の日常会話が飛び交う交流の場として賑わっている。
 1900年代、約1km南側の製鉄・ゴム製造など大企業群の出現により人口が急増し、恵まれた環境と立地条件に育まれ1963年に発足。料亭や映画館・病院などの施設も充実し、最盛期には約70店舗が軒を連ね、前途の工場等で働く工員らの台所として栄えた。  震災で全半壊のダメージを受け組合数が半減したが、地域住民のためになる商店街づくりをテーマに歴史と伝統を後世に語り継ぐコミュニティイベントとして「だいにち元気合衆国」を1998年秋に展開。同商店街北側に位置する筒井八幡神社に伝承されていた小学生による胡蝶の舞で無病息災を祈願する「筒井舞」を約30年ぶりに再興した。衣装やステージを手作りで制作し、バルーンアートやコンサートなど盛大に行われた。以後、「筒井舞」は同商店街のランドマークとして、各イベント、集客事業等に継続して使用されている。夏と年末には恒例の売り出しセールを大々的に行い、地域内外からの買物客も訪れる。
 空き店舗増加、後継者不足など現実的な問題を抱える中、近隣には市立の小中学校があり、半径500m以内の商圏に集合住宅が新築されるなど地域人口は増加の兆しを見せる。
 今後の方針として関係者は「下町独特の雰囲気を残した商店街づくりを心がけ、地域の祭事などに併せた行事や集客のための話題性の高いイベントを展開していきたい」と話していた。
(2005.10月発行)