■緑町商店街(北区)(NO.013)

緑町商店街
 市街地から電車を乗り継いで約40分、神戸電鉄山の街駅周辺の線路沿い約300mの範囲に商店と住宅が混在する緑町商店連合会。都会の喧騒から抜け出し、異空間へ足を踏み入れたようだ。
 1965年頃に建設された集合住宅と駅をつなぐ湾曲した道路に商店が自然に集積し、現在は約30店舗が軒を連ねている。多少の勾配があり、移動手段として主に車を使用する住人への配慮から車輌規制を外し、空を仰ぐ開放的な光景が広がる。
 主な買物客は半径500mの住民。1960年代より住宅地として徐々に開拓されたこの地域は新住民が次々と入居し、住民層のバランスが保たれている。震災前の大型商業施設進出により客数は激減したが、馴染客が散歩気分で訪れ、会話とともに買物を楽しむといった地域密着の対人販売が根付いている。
 核となる食品店が勾配のある道路半ばに位置し、商店が点在しているため、特設のイベント会場を設けるには不向きな立地条件であることから、年間行事などは地域とのふれあいに焦点をしぼり、密度をあげて展開している。

夏祭りの様子
 8月7日に近隣の公園にて開催された夏祭りでは地域の6自治会が協力し、屋台やバザー、盆踊りなどが繰り広げられた。約1,000名が集まり、大盛況を収めた。また、商店主とのボーリング大会や温泉旅行なども企画し、親睦を深めている。1998年より力を注いでいるポイント事業では、ポイントがたまると500円の買物券として利用できる。
 「商店街の施設や設備は立地上困難な場合が多いため、連合会としては個店のフォローに力を注ぎたい。また、地域に貢献できる企画行事など商店主と地域がふれあう機会でつながりが深まれば」と関係者は語る。
(2005.9月発行)