■南京町商店街(中央区)(NO.7)
 JR・阪神元町駅を南に下ると、神戸屈指の観光スポットとして賑わう「南京町商店街」がある。
 1867年、神戸港が開港し貿易に便利な元町に店が集まった。戦争までは「南京市場」として中国食材を扱う市場として南京町商店街の歴史がはじまった。
 南、東、西、には門があり、西側にある「西安門」は先月1月15日に竣工されたばかりだ。
 南京町商店街の魅力は、神戸の街で中国の異国情緒が堪能できる点だ。中華料理店はもちろん、中国食材や雑貨、和洋料理店、喫茶菓子など様々な業種の店が並び「日中友好」も随所に感じられる。
 神戸っ子にとって南京町は観光地で人通りが途切れないというイメージが強い。しかし観光客がまばらになる夕方は人通りも少なくなる。「今の南京町商店街の課題は、地元のお客を取り入れることである」と関係者は語る。
 そこで商店街が力を入れているのは、イベント集客だ。南京町で毎年行われるのが「春節祭」「中秋節」である。春節祭は旧暦のお正月、中秋節は秋の収穫を祝うものである。毎年様々なイベントが催されるが、1番の目玉は獅子舞と龍舞だ。この獅子舞と龍舞は南京町商店街でも団体があり、ホームページなどで幅広くメンバーの募集を行っている。祭りの際に活躍する獅子舞と龍舞だが、車椅子常用者のために事前の申し込みで専用のスペースを用意。このようなきめ細かい対応で、様々な人々に商店街へ足を運んでもらう工夫が施されている。
 「町の整備と美化、そして老若男女問わずターゲットを絞らない集客を目指す」と商店街関係者は意気込む。そのためには商店街活動と並行して、個店の努力が欠かせないという。全国から来る観光客、そして地元のお客を南京町商店街に呼び込むことは、神戸市内の商店街にも素晴らしい波及効果を生み出しそうだ。
(2005.2月発行)