■二宮商店街琴三四会「高見楽器工房」 (NO.1)

高見楽器工房の皆様
 JR三宮駅北側にある二宮商店街。二宮商店街は、「二宮商店街琴三四会」「二宮センター街商栄会」「二宮筋商店街振興組合」で形成されている。
 今回その中の一つ二宮商店街琴三四会奥田会長より「うちにも元気なお店がある」との紹介をいただき訪問。「二宮商店街琴三四会」の入口近くに立地する「高見楽器工房」だ。
 高見楽器工房は管楽器の販売と修理を主とする楽器店である。
 5年前「二宮商店街琴三四会」の南入口近くの現在の場所に出店し、その後好調に業績を伸ばしている。
 代表の高見氏は「この場所に出店を決めた理由は、駅近で家賃がお手頃だったこと、奥田会長が気さくな方だった事などが主な理由」と笑って話す。
 現在の主な客層は、ブラスバンド部に所属する中高生や音大生、アマチュアやフリーの音楽家など幅広い。またこの店の特長である 修理 の腕の良さは、先輩から後輩、教師から生徒へと、口コミで評判が広がっている。広告やネット販売などにもそれほどこだわらずに安定しているのは、固定客をしっかりつかんでいるからである。学生や若者が商店街に来店してくれる、と商店街側からも好評だそうだ。
 最近は、大人が音楽教室に通ったり、福祉の場面で音楽療法が取り入れられたりすることもあり、音楽へのニーズは年齢を問わず高まっている。そのため店内では、音楽教室のための部屋貸や講師派遣もしている。レッスン日時を固定しないプライベートレッスンが人気だそうである。無理せず行ける時にレッスンを受けるというスタンスは長続きするそうだ。
 「支店を出したいので、今は土台を固めたい」と高見代表は今後の展望を語る。
 高見代表は「楽器を売ってもほとんど利益が出ない。その後の不具合の微調整、修理などで信用をいただき、楽器の付属品などの販売が利益の源泉」と話す。また身近に貸しスタジオがあるということも今の住環境を考えれば固定客作りの重要なポイントだろう。
 固定客化することにより、売上げが安定化する。一見さんの何割を固定客化できるかを毎日の目標にしてみればお店を開けた毎日が楽しくなるのではないかと考える。そのためにはお客様との会話が重要だ。今回の高見楽器工房の訪問で強く感じた。
 奥田会長は「商店街にやる気のあるテナントが出店してくれることで人通りも増え、まち全体に活気が出てくる。最近は美容室も新規出店してくれた」と喜ぶ。
 三宮駅にも近いという利便性を活かし今後もテナント導入に粘り強く取り組み商店街全体に活気を取り戻すと意気込む。
(2011年8月発行)