■アベノミクスとオリンピック  (NO.74)

5500円バーガー
 アベノミクスの効果でしょうか。高額消費が増えているそうです。例えば、近江牛100%のお肉120gの上にフォアグラを乗せた5500円のハンバーガーが売れている、とテレビで放映してました。また、5000万円以上もするイタリア車が予約で一年待ちだとか、さすがに1億5000万円もする時計(こんなのがあるのですね!!)は売れませんが、ん百万円のブランド時計が売れているとか。しかも、東京の話ではありません。大阪なのです。テレビの放送でも出演者が「大阪やで?。東京ちゃうで?」と何度も叫んでいました。JR大阪駅の再開発やグランフロント大阪のオープンが大阪の景気に火を点けたのでしょうか。
 大阪がこれですから、東京はもっとすごいのかなと思っていたら、東京だけではなく世の中全体が活気づくような出来事が起こりました。そうです、東京オリンピックです。開催が決定した翌日から建設や建材、旅行といった関連株は値上がりし、テレビ・新聞はその経済効果について喧しい有様です。
 なにせ7年後の話ですから、その間に景気がよくなるだろうという期待があります。そこには、スポーツ選手の思いとは別のさまざまな思惑があるのですが、単にオリンピック特需に終わらせないで、東京だけでなく全国に波及するような仕掛け・仕組みを中央のお偉方には、ぜひ考えてもらいたいものです。
 それにしても、開催が決まっただけでこの騒ぎですから、つくづくオリンピックというのは大したイベントです。1964年の時は東京のまちが一変したといいますが、今度はどんなことになるのやら。前回と違って、なんでもかんでもオリンピックやから、ということにはならないでしょうが、7年後には未来都市東京の姿を世界に示す絶好のチャンスだー、なんて息巻いている人もいるようです。
 東京オリンピックについてポジティヴに捉えながら、でも単なる歓迎ムードではなく、かといって世間の熱気、これが景気上昇に繋がるわけですから、に水を差さないような意見を述べてみたいと思うのですが、これがなかなか難しい。批判・批難は簡単なんです。東北の復興はほったらかしやのに、福島の原発問題も全然先が見えていないのに、東京だけがまた潤うようなイベントを血税をつぎ込んでまでする必要があるのか、云々。
 あ、なんだか商店街活動への批判に似てますね。個店はしんどいのに、売り上げに直接繋がらへんのに、お金掛けてイベントする意味ある?っていうやつ。こういう時は、集客のための賑わい作りやからとか、地域の人が喜ぶよとか、最後にはみんなでやるイベントって楽しいよとか、そんなことで納得してもらったりしますが、オリンピックも同じかもしれません。
 もう決まったことだから、失敗だったと言われないように、そして現在50歳以下の人は初めての国内でのオリンピック経験(冬季は除いて)ですから、いろんな人が楽しめるようなお祭りになればいいのですが。
 ところで、66歳の猪瀬直樹都知事は7年後には73歳になるので、自ら招致したオリンピックは観れるのでしょうか。そんなこと考えてたら、あんな熱心な活動はできないですか。私はまだ60前なので、平均寿命からいえば観れるはずですが、こればっかりは分かりません。ま、観れなくても残念な気はしませんが、この7年の間にどんな社会になるのかは見逃せませんね。
(2013.10月発行)