■東京の新名所  (NO.59)

スカイツリー
 東京の新名所に行ってきました。そうです、墨田区押上(おしあげ)にできたスカイツリーです。スカイツリーは高さ634メートルで、ご存じ東京タワーに代わる新しい電波塔です。634メートルになったのは、建てられた場所がかつて「武蔵(むさし)」と呼ばれていたからということらしいのですが、ダジャレ好きなのはどうやら親父だけではなさそうです。スカイツリーを含めた周辺施設は東京スカイツリータウンと呼ばれていて、その中核施設は東京ソラマチと東京スカイツリーイーストタワーです。オープンは5月22日で、私が行ったのは5月27日です。
 東京ソラマチはスカイツリーの足下にあって、商業床面積30,000m2を超える都内でも最大級の商業施設で店舗数は312(物販127店、食品90店、飲食77店、サービス業18店)です。最近流行りのまちなか水族館の墨田水族館も併設されています。運営は東武鉄道の子会社の東武タウンソラマチ(株)です。イーストタワーは東武鉄道が所有する地地下3階上31階のオフィスタワーです。
 上野から地下鉄に乗って浅草で東武線に乗り換えると、ひと駅で「とうきょうスカイツリー駅」です。駅を降りるとそのままソラマチです。せっかくの東京旅ですから、朝の腹ごしらえを築地で済ませて、スカイツリー駅に着いたのが9時半ぐらいです。オープンしてから最初の日曜日だったので、もうたくさんの人です。みんなデジカメや携帯をスカイツリーに向けています。その見上げ方で高さが分かります。私も外から見上げるだけです。東京タワーと違って、スマートな構造なので威圧感はありませんが、やっぱり高いです。デジカメでたくさん撮りましたが、写真ではその高さと迫力が表せないのが残念です。

▲ソラマチ商店街

▲フードコート
 10時の開店を待って、2階へ。2階はスイーツ・フードとファッションのフロアです。本屋もあります。馴染みのモロゾフや神戸コロッケのお店もありました。朝早くから動いて疲れたので、3階のフードコートへ。3階のエスカレータ横にあるインフォメーションの前には長いベンチがありました。もう座っている人もいます。
 フードコートはそれほど広くはないですが、飲食店10店が並んでいます。よつ葉のソフトクリームを舐めながら店内を観察していると、ほどなく一杯に。満員になることを予想しての早めのランチなのでしょう。フードコートの向かい側には、休憩中の席からよく見えるところに、ジャンプショップ(注1)・トミカショップ・プラレールショップ・リラックマストアが並んでいます。子供だけでなく、大人の遊び心もくすぐる憎い配置です。
 フードコートの後は、東側(京急の押上駅方面)の1階にあるソラマチ商店街へと向かいます。ここはソラマチのコンセプト「新・下町流」を体現した場所で、下町をイメージした全長約120mの通路に35店舗が軒を連ねています。東京の新グルメやお土産を扱うお店から墨田区のオリジナル靴専門店など、新しさと伝統を競いあう空間になっています。昔はこんなんやったなぁ、と商店街の最盛期を彷彿とさせる混み方でした。
 押上駅前広場口を出るとバスターミナルがあって、墨田区内を循環するバス「すみだ百景」(京成バス)に乗ることができます。これは区内を3つの循環ルートで結ぶもので、スカイツリー前の押上駅が始発駅になっています。今回は北西部ルートに乗りました。京島や向島という下町をぐるりと回る1時間足らずのコースです。墨田区向島というと防災のまちづくりでも有名で、16年前に「市民語り部キャラバン隊」(注2)を組織して、向島へ来たことを想い出しながらのバス小旅行でした。

注1:
漫画雑誌の「週刊少年ジャンプ」連載中の人気作品を中心としたグッズを揃える集英社オフィシャルショップ。
注2:
阪神淡路大震災の経験を全国に伝えようと、防災やまちづくりの専門家、長田区の被災者で作ったグループ。1996年の1月13日・14日に東京の墨田区と中野区へ総勢23名のメンバーで第1回目のキャラバンを実施。その後、1年間で約70ヶ所に呼ばれて講演等を行う。私はその事務局を担当。
(2012.7月発行)