■三宮あじさい通り商店街 サンパル名店会(中央区) (NO.60)

三宮あじさい通り商店街のインフィオラータ
 JR三ノ宮駅を東に出て高架沿いに進むと、旧西国街道を示す石碑が立っている。ここから東西160mの通りをはさんで「三宮あじさい通り商店街」がある。
 毎年4月、商店街の道路上にチューリップの花びらで絵を描く「インフィオラータこうべ三宮東」が有名で、平成9年から周辺商業施設とともに取り組んでいる。平成22年の来場者はこの会場だけで約100,000人になった。
 同商店街は昭和23年に「三宮駅東問屋街振興会」として発足した。周囲に戦後の闇市を吸収した国際マーケットがあり、卸商店街としての出発だった。
 昭和50年以降、通りの南側がサンシティービル・サンパルビルとして再開発されると、問屋が減って名称が実態に合わなくなり、平成5年には活性化事業を契機に「三宮あじさい通り商店街」と改称した。商店街で美緑花事業に取り組んでいたことから、市の花のあじさいにちなんで名付けられた。
 「平成18年のミント神戸開業から急に人の流れが変わった」と商店街振興会の瀬川敬之輔会長。急激にチェーンの飲食店が増え、昼食時はサラリーマンで賑わうそうだ。
 瀬川会長は「現在、駐輪問題で頭を悩ませているが、あじさい通りの環境整備をさらに進めたい」と、月2回の清掃活動や標識整備など美緑花ストリートを特色とする商店街づくりをこれからも進めていく。

サンパル
 「三宮あじさい通り商店街」の南側、サンパルビル内で営業する商店で構成されるのが「サンパル名店会」。地下1階から2階までの35店舗が加入している。
 サンパルビルは再開発ビルとして昭和56年に完成した。5階に市民ギャラリーがあることから、書道具・画材店、彫金などユニークな趣味の店が入っていることに特色がある。再開発前からの洋食店や漢方薬店など老舗も営業している。
 名店会ではサマーセールや歳末セールなど年2〜3回の売り出しを行い、1階の空き店舗を利用して週替わりで陶器市、鉄道忘れ物市などの催事も行っている。
 また、新たな取り組みとして今年初めてビルを囲むクリスマスイルミネーションの飾り付けを行う。
 「平成24年春頃には阪神三宮駅の東口が完成してミント神戸と直結され、平成25年3月にはサンパルビルの北東に高層マンションと商業施設・ホテルからなる三宮東地区再開発が完成するのは明るい兆し」とサンパル名店会の中山健造事務局長。人の流れが増えることで、人を呼び込む工夫を考えている。
(2010.10月発行)