■笠松商店街(兵庫区)(NO.24)

休日には動物たちが来街者を迎える
 JR兵庫駅から南に延伸するわずか2駅、2.7kmの和田岬線は、朝夕の通勤時間にしか運行しないにもかかわらず、旧型客車を最後まで利用していたことなどの特異性から、全国の鉄道ファンに知られている。終点の和田岬駅を降りてすぐ、緑色の商店街アーチが来街者を迎える。
 笠松商店街はアーケードのない開放的な商店街で、地下鉄海岸線の開通に合わせて敷設されたカラー舗装が、まちにより明るい雰囲気を与えている。レトロで懐かしい外観の商店が立ち並ぶなかに、洒落たショットバーのように意外な商店も存在する。街路灯や各店の店先にはJ1リーグに昇格が決まった地元サッカーチーム「ヴィッセル神戸」のエンブレムが描かれた真紅のバナーがつるされ、景観のアクセントとなっている。
 和田岬は古くから重要な海運の拠点としてしられていたが、明治後期には港周辺に三菱の造船所をはじめとした工場群が進出し、そこで働く膨大な数の人々を相手とする商店が生まれていった。笠松商店街も発展し、高度経済成長期まで、「三菱の城下町」として繁栄していた。
 震災では甚大な被害を受けた上、時代の変遷による造船所の人員削減などの影響から売上は落ち込み、商店数もピーク時の3分の1程度にまで減少した。現在は地元企業だけに頼った従来の商店街のあり方から脱却し、神戸ウイングスタジアム及びヴィッセル神戸との連携など、多角的な繋がりづくりから商店街の将来を模索する。
 昨年11月、まちあるきイベント「和田岬砲台ウォーク」を企画する住民らと、和田岬に点在する史跡などを紹介する小冊子 「兵庫区最南端の町和田岬を訪ねて`町標a(まちしるべ)」を製作した。また、各商店のシャッターに、地元のデザイナーや子どもたちがボランティアで動物を描く「シャッター動物園」も話題となっている。
 関係者は「和田岬という島のような街にも、様々な人材や話題があることがわかってきた。それらを商店街が結びつけていくことで、街の活性化をはかりたい」と話している。
(2007.1月発行)