■白岩明子 ―あめ細工師― (NO.17)

あめ細工師の白岩明子さん
 「懐かしい」と人々が集まる視線の先には、あめ細工師白岩明子(しらいわあきこ)さん。のんびりとした口調で会話を楽しみながら子供たちのリクエストに答え、煮詰めた水あめを手先で軽妙に扱い、鳥や亀やアニメの人気キャラクターに仕上げる。300種類を超えるレパートリーは現在も更新中で、関西では唯一の女性あめ細工師として商店街はもとよりデパートでの催し物やあめ細工の講師として活躍している。
 催し物会場で偶然目にした石割定治氏のあめ細工をきっかけに、1993年に弟子入り。半年後に初めて公共の場で披露した。水あめの熱さに耐え、和ばさみで切りながら素手で形を整えて空気を入れる。仕上げは赤、黄、緑の食紅で彩色。あめが固まってしまうまでの時間との勝負だ。その巧みな技に見るほうの目も真剣そのもの。子供らは夢をふくらませ、大人は縁日で遊んだ頃にタイムスリップする。
 着物姿で道具箱一式を手に、催し会場へ足を運ぶこと数知れず、「お客様の笑顔が何よりの喜び。これからもレパートリーに新しいものを取り入れながら懐かしいムードを大切にして、活躍の場を広げ、多くの方に楽しんでもらいたい。」と話していた。
(2006.8月発行)